2020年07月23日 15:45

バック・トゥ・ザ・リアル 2

カテゴリ:昔のハナシ
今回も前項からの続き=企業としての「らしさ」訴求をめぐって。メインにつながる前置きや前菜?(笑)として、披露しておきたい過去のエピソードを交えるので、話のルートがつい脱線的になっていますが…いずれ本線に戻るのでは?と緩く期待してください(爆)。
前々回に、企業からのメッセージを伝えるには>まずユーザーと「よき関係性」を構築し維持する時間が必要で、地道に長く続ける姿勢が欠かせない。そう述べました。先日WEB系のあるマーケティング・プランナーの方が、取材で「ブランド構築には少なくとも3年はトライアルを継続しないと、その成果を正当に評価すべきでない」と答えているのを読んで、ネット時代でも根幹は変わらないんだと意を強くしました。

ここで改めて、広告ADと販売促進SPの違いを整理しておきたいと思います。
■広告ADとは:ユーザーから企業とその活動へ支持を得て、継続的に購入してもらう関係を構築・維持するため「長期的」にコミュニケーションを図る。つまり売上が安定的に推移するよう『マインド・シェア』を高める活動であり、商品を販売する上での環境づくりに貢献するのが役割。
■販売促進SPとは:目の前に差し迫る販売目標を達成するため、ユーザーに商品購入を訴求する「短期的」なコミュニケーション活動。ユーザーとの関係性より、売上の達成そのものを優先して『マーケット・シェア』を高めるのが使命で、販売の現場と連携・直結したあり方が重要になる。

以上、いささか評論的な=退屈な(笑)まとめになりましたが、「広告と販売促進」は決して「媒体とツール」と単純に置き換えられるものではありません。事実、いまオンエア中のCMの大半がSP的な狙いと表現ですし、片や折り込みチラシのなかにも稀に企業広告と呼べるものが見られます。ただし商品販売そのものを訴求していなくても『予告広告』『ティーザー広告』と呼ばれるものは、周到なプロモーション計画にのっとったSPの一環ですが。
コンチャ湾ビーチ①かつて新聞の宅配率が高かった時代、夕刊紙と言う媒体もまた然りで。最終ページの通称『ラテ面』(ラジオとテレビの番組欄がある事から)の全10段は注目率が高く、人気の広告スペースでした。週末が近づくと名古屋市内のデパートの広告で埋まったものですが…その理由は、各店が商圏とする名古屋市内および近郊全域にチラシを折り込むと費用が膨大で、対してこのラテ面は注目率が高い上にコスト面でもリーズナブルだったから。原稿内容はモノクロではあれ、表現も(名古屋圏の場合に限れば、ですがw)もっぱらチラシ的でした。

関連して(またも古いエピソードで恐縮ですが)、私がキャリア2社目としてD通の影武者的なプロダクションに勤務していた時期のコト。当時D通の四日市支局には同じTグループであるT工房のデザイナーが出向していましたが、コピーライター不在のため必要に応じて別会社J在籍の私が担当、折々に出張もしました。ある時、後にイオンとなる前身であるJの本拠=三重事業本部に自主プレゼンするコトになり、D通の営業氏とディレクターに同行してオリエンテーションを受けた時、宣伝部長が「新聞チラシ」とくり返し名指すのが印象的でした。
コンチャ湾ビーチ②その後の打合せで、ディレクター氏いわく>彼は新聞広告の何たるかを知らないね、と。私よりひと回り以上年の離れた同氏ですが(その後、公私ともに何かと懇意にお付き合いが続く事に)いま思えばクライアントの宣伝部長こそ、そこから1年ほど続いた中日新聞・北勢版に月2出稿の新聞広告は、まさにSPとしての役割を心得た上での発注であったんだな、と思い至ります。

さて、企業としての「らしさ」訴求をめぐる広告のあり方に関連して、SPとの比較や役割分担についてエピソードを交えて語って来ました。一つにはコミュニケーション目標の違いから、(媒体の特性以前に)継続的で長期スパンを前提とするか?或いは単発的で短期勝負か?計画の時間軸の違いに触れました。加えてもう一つ、広告プランの中でのターゲットの捉え方や絞り方、媒体戦略とも密接なこのテーマに触れない訳にはいきませんが・・・申し訳ありません。またも文字数イッパイ、続きは次回へ。

本来なら今日は、東京五輪開会直前で盛り上がるはずだったイレギュラー連休の初日。ウィルスはそうそう都合よく消えてくれないにしても、せめて梅雨前線なりとも早々に立ち去ってもらい、朝スッキリ気持ちよく目覚めたいと思う此の頃ですが…さて、大混乱の❝GO TO ~ ❞キャンペーンではありませんが、このあと雨雲たちの行方は?と空を眺める「海の日」―――皆さん、楽しき宅飲みを!

コンチャ湾ビーチ③




同じカテゴリー(昔のハナシ)の記事画像
エピローグ前夜
3分への道のり。
バック・トゥ・ザ・リアル
ひと幕に咲く。
お花畑モノ語り。Part2
お花畑モノ語り。Part1
同じカテゴリー(昔のハナシ)の記事
 電波おやじの記憶・寄り道 (2020-11-20 17:10)
 エピローグ前夜 (2020-09-26 22:26)
 3分への道のり。 (2020-08-16 17:30)
 バック・トゥ・ザ・リアル (2020-07-21 16:36)
 ひと幕に咲く。 (2020-05-10 18:46)
 お花畑モノ語り。Part2 (2020-05-06 18:40)

Posted by さすらいのアドマン │コメント(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
削除
バック・トゥ・ザ・リアル 2
    コメント(0)